変形性股関節症ともも(大腿)の内側や膝内側の痛みについて
- takaphysicalcare
- 3 日前
- 読了時間: 4分
更新日:21 時間前
変形性股関節症の方は股関節(鼠径部)や、ももの前・内側・外側、仙腸関節、お尻、膝に痛みが出ることがあります。
股関節が悪いのになぜ、ももや膝などにも痛みが出るのか?
様々な原因がありますが、その中で、もも(大腿)内側と膝の内側に痛みが出る原因を医療の国家資格を持つ理学療法士の私がご説明します。
閉鎖神経について
大腿内側と膝の内側の痛みについて説明する前に閉鎖神経のお話をさせてください。
大腿内側部を支配している神経を「閉鎖神経」と呼びます。
この閉鎖神経は、第2腰神経〜第4腰神経(L2~L4)で構成される神経です。
閉鎖神経は、股関節の内側に動かす内転筋群のほとんどを支配しています。
腰椎(腰の骨)から出た閉鎖神経は、骨盤腔内(骨盤の中)を通り、閉鎖孔(お尻骨の上の穴)を通過する手前で2つの神経に分かれます(前枝と後枝)。
閉鎖神経の前枝は、閉鎖孔を抜けた後に、股関節枝を出します。
この股関節枝は、関節包や滑膜へ入り込み、股関節の痛みを感じる感覚神経です。主に股関節前面や内側面の感覚を司ります。
閉鎖神経の前枝は、ももの内側にある恥骨筋や長内転筋の筋膜の深層かつ短内転筋の表層を走行します。
長内転筋付近を走行した後に、走行を表層を変えて、皮下(皮膚のすぐ下)に走行し、大腿内側面の感覚を支配します。
閉鎖神経の後枝は、外閉鎖筋に運動枝を出した後は、短内転筋の深層かつ大内転筋の表層を走行し、内転筋裂孔を走行します。
その後に膝関節枝を出して、関節包や滑膜、靭帯の感覚を司ります。
閉鎖神経は、筋肉の間に通るため、圧迫が起こることで、神経障害を起こします。
閉鎖神経が圧迫されやすい部位としては、外閉鎖筋が走行している閉鎖孔、内転筋群が位置する大腿部、大内転筋裂孔周辺が挙げられます。
また変形性股関節症などで、股関節の動きが悪いと、閉鎖神経の股関節枝に刺激が入り、閉鎖神経領域に痛みが出ることもあります。
ここまでを簡単にまとめると
閉鎖神経の前枝は、股関節やもも内側を、閉鎖神経の後枝は膝関節の内側を走行します。
変形性股関節症によって、股関節に負担が掛かり、閉鎖神経(股関節枝)に刺激が入ると、もも内側や膝の内側にも痛みが出てしまします。
このような痛みは関連痛と言われることもあります。
閉鎖神経の影響で、膝が痛い場合は、股関節や閉鎖神経領域のアプローチが必要になります。
閉鎖神経障害による筋力低下
閉鎖神経は股関節内転筋群(もも内側につく筋肉)を支配するため、内転筋の筋力低下が起きます。
股関節の内転筋
・恥骨筋
・長内転筋
・短内転筋
・大内転筋
※この他にも閉鎖神経は「薄筋」や「外閉鎖筋」も支配します。
閉鎖神経領域で神経障害が起きる場合もありますし、腰からの影響で上記の筋肉の筋力低下が起きますので、どこで障害されているか鑑別が必要になります。
画像所見
MRIやCT、X線(レントゲン)では有力な情報を得ることはほとんどないとされています。
仙腸関節や臀部の影響で似た症状が出ることもあるので、必ず鑑別が必要です。
姿勢や歩行動作
姿勢や動作によって、閉鎖神経障害を起こします。
どのような姿勢や歩行動作になると、閉鎖神経障害が起きてしまうのか説明します。
①歩く際にトレンデレンブルグ(逆側の骨盤が下がること)が起きると、大腿骨頭の外上方偏位を制御するために、外閉鎖筋が張ってしまい、閉鎖神経を圧迫してしまいます。
②ワイドベース歩行(両足の横幅が広いこと)であると股関節内転筋群が張って、閉鎖神経を圧迫してしまいます。
③歩く際にワイドベース歩行かつ内股での蹴り出しだと、外閉鎖筋が張って、閉鎖神経を圧迫してしまいます。
その他にはあぐら姿勢、内股での階段や立ち上がりでも閉鎖神経の伸張や外閉鎖筋が張ってしまい、閉鎖神経症状が出てしまいます。
いかがでしたか?
変形性股関節症によって、閉鎖神経に負担がかかると、大腿内側や膝の内側にも痛みが出てしまいます。
「膝の内側が痛いから膝だけどうにかする」では原因が閉鎖神経である場合は、症状が良くならない可能性もあります。
大事なのは、股関節の影響なのか、腰の影響なのか、神経の通り道で圧迫されている影響なのか、鑑別が大事です。
整体院 始道(しどう) 整体師/理学療法士 高林



コメント